実際に電車を運転しているかのような臨場感を楽しめる「電車でGO!」。
1997年にアーケードゲームとして稼動以来、多くのユーザーの皆様に愛されています。
そんな「電車でGO!」の新型筐体が2019年6月26日に稼動しました。
その新型筐体稼動に至るまでのプロジェクト秘話を、今回から4回に渡ってご紹介していきます!
■目次はこちら!
第1弾「移植プロジェクト始動~1997⇒2019」
第2弾「4画面筐体!」
第3弾「逆張り!?ブラウン管テレビ表現へのチャレンジ」
第4弾「タイムスリップ~2019⇒1997」
今回は、第1弾「移植プロジェクト始動~1997⇒2019」です!
第1弾「移植プロジェクト始動~1997→2019→1997」
時代に合わせて変化を遂げる「電車でGO!」は、これまで家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機などにも移植されてきました。
しかし、今回の移植に求められるのは……『1997年にタイムスリップ(!?)』というなんとも壮大な目標。
1997年にタイムスリップとは…果たしてどういうことなのでしょうか。
当時の「電車でGO!」と言えば、実際に電車を運転しているような臨場感が話題となって、その人気に火が着きました。
今回は、その「1997年当時の電車でGO!」を再現することはもちろんのこと、さらに「まるで1997年にタイムスリップしたかのような懐かしさ」をしっかりと表現・再現することを目標としたのです。
「1997年当時の臨場感」をしっかりと再現する……つまりプレイヤーに1997年当時にタイムスリップしたかのような懐かしさを感じてもらえれば目標達成、というプロジェクトだったのです。
このような壮大な目標を掲げて、この移植プロジェクトはスタートしました。
こちらが1997年に稼動した 電車でGO!
【スタッフのつぶやき】
移植にあたって、ゲームの設計図となる情報…つまり当時の「ゲームの仕様書などの書類」を確認しながら進めていたのですが、そこにある情報は非常に少なく……。そこから、当時の開発チームの方々が試行錯誤しながら作ったことが伺えました。そんななかでの情報収集で重宝したのは、意外にも「当時の攻略本」。
攻略本を確認して、公式書類では足りない情報を補完しながら、手探りの中でプロジェクトを進めていきました。
復刻版 電車でGO! ゲーム画面
移植にあたって、システムは可能な限り当時のままで再現しましたが、表現については現在の規制に合わせて一部を改定しました。そしてその描画部分は、単純に移植するのではなく、当時の筐体でゲームをプレイして、移植版のゲーム画面と見比べながら雰囲気を似せるコダワリ。ポストエフェクトの職人技です。そんな状況のなか、当時の「電車でGO!」での線路の欠け具合や遠くに見える線路の揺らぎなどなど、当時の見た目や感覚を再現することに注力しました。
【スタッフのつぶやき】
当時の筐体でゲームをプレイしながら移植版との差異を確認……と簡単そうに書いたのですが、実際にはスタッフのプレイスキルが追いつかず、なかなか苦労したんですよ。
昔のアーケードゲームは難しい……移植スタッフからは、そんな声がチラホラと聞こえてきていました。こればかりは攻略本でもどうにもならないところですよね…。
2019年6月26日稼動コンパクト筐体
こちらが新しく追加された「電車でGO!!」コンパクト筐体です。
移植先となるアーケードゲーム機は当時の筐体と比べると……いろいろ違いがありますね。
ディスプレイが増えていたり、コントローラー(マスコン・ブレーキ)がひとつになっていたり…。
果たして、それらの違いが今回の移植にどのような影響を及ぼすのか……。
このあたりのエピソードはまた次回、ご紹介いたしましょう!
というわけで、第1回「移植プロジェクト始動~1997⇒2019」はこのあたりでおしまいです。
この続きのエピソードは、また次回「4画面筐体!」にて。
では最後まで読んで頂き、ありがとうございました。